ファースト暮らすとよた
暮らしの声

暮らしの声

Interview
豊田の家族たち:写真メイン

豊田の家族たち:写真1

豊田の家族たち:写真2

Sさん

下山地区で、古着をアップサイクルし、
障がい者向けの洋服を作るSさん。
服作りを始めるに至った思いや、
下山地区に引っ越したきっかけ、地域の人との
つながりについて伺いました。
田舎暮らしを楽しみながら
障がい者のための服作りをしたい。
人々の温もりに触れ、暮らしも仕事も充実しています。

voice0

子どもの誕生と主人の希望で
自然豊かな下山地区へ移住。

高校を卒業してアメリカに留学し、現地の大学でコミュニケーションデザインを学び、卒業後はファッションブランドでのインターンシップを経験しました。帰国後は東京のグラフィックデザイン会社で働いていましたが、結婚を機にフリーランスのデザイナーとして印刷物のデザインやオリジナルバッグを作るようになりました。
市内中心部から下山地区に引っ越したきっかけは、子どもが生まれたことと、豊田市を中心にバンド活動を行う主人の「思いきり楽器の練習ができる場所に住みたい」という希望からです。私自身、和歌山県の田舎で育ったこともあり、自然が豊かなところでのびのびと子どもを育てたいという思いがありました。空き家情報バンクを利用したり、友達に聞いたりして家探し。結果的に、友達からの情報で今の家にたどり着きました。

voice1

障がい者の困りごとを解決するため
アップサイクルの服づくりに挑戦。

障がい者向けの洋服づくりをしようと思ったのは、ダウン症の息子がきっかけです。多くのダウン症の人は健常者に比べて手足が短いという特徴があり、息子も既製品のシャツやズボンの裾を折り曲げて着ていました。当然着心地が悪く、サイズも合わないので着脱も大変です。「もしかしてみんなも同じ思いをしているのでは?」と、障がい者とその家族の方々にSNSでアンケートを取ったところ、やはり服の形や着脱で苦労をしている声が多く寄せられました。こうした困りごとを解消し、障がい者でもおしゃれを楽しんでほしいという思いから、2024年に「vivaclu(ヴィバクル)」を立ち上げました。
古着を活用しようと思ったのは、まだ着られるのに捨てられる衣服をなんとかしたいという思いと、環境への負荷軽減を考えたから。交流館にリサイクルボックスを設置させてもらって古着を回収していました。私たちは下山地区に移住してから地元の祭りや、「NPO法人下山わくわくファーム」の子どもキャンプや防災キャンプなど、積極的に地域の活動に参加してコミュニケーションを築いています。だからこそ、地域の人々も私の仕事に協力的でいてくれるのだと実感しています。

voice2

多様な福祉団体とつながり
活動の幅が広がる。

洋服づくりで大切にしていることは、ダウン症や障がい者の人たちが着たい服の選択肢を増やし、服に関する困りごとをなくすこと。袖やズボンの丈を短くしたり、自分ひとりで着られるように腕の可動域を広げたり、服の開閉部を広めに取るなどの工夫を凝らすようにしています。とはいえ、もともとグラフィックデザインを仕事にしてきたので、洋服づくりは初心者。今は子育てや仕事のかたわら洋裁専門学校に通い、服の構造をいちから学び直しています。
仕事を始めてから、さまざまな障がい福祉のNPO団体とつながりました。その中のひとつ、障がい者のアート活動を主軸とした生活介護事業所「アトリエ・ブルート」から、障がい者が描いたアートを雑貨や小物にする仕事を請け負っています。自分の好きな文字を描いたり、カラフルな色で絵を描いた布はとても個性的で、おしゃれな雑貨に仕上がります。
また、障がい者にももっとファッションを楽しんでもらおうとあしょげぶセンター(愛知県障害者芸術文化活動支援センター)主催で愛知県内に住むモデルと名古屋でファッションショーも開催しました。これが好評で、当日は大盛況。本番まで洋服を着てくれない子や、突然走り出す子もいましたが、何が起こるかわからないそんな状況も、みんなが一緒になって楽しむことができたと思います。

voice3

将来的には下山地区に工房を設けて
仕事を作り、活気を呼び戻したい。

「vivaclu」の洋服はネットで販売をしていますが、試着ができないのがネック。こうした課題もなんとか解決しようと、障がい者や高齢者などの福祉事業を行う「NPO法人オリーブ」から試着会の提案があり、実現化に向けて取り組んでいます。仕事を通じて同じ志を持つ人たちとつながることができ、とても嬉しく思っています。
地域の人々から今、「商店街に工房を作ったらどうか」と声をかけていただいています。「vivaclu」の立ち上げの時は服の裾上げやサイトの制作など、地域の人々に助けてもらったので、今度は私が恩返しをする番です。将来的には工房を作って地域に仕事を作り、商店街に活気を呼び戻すことができたらと考えています。
また仕事だけではなく、普段の生活でも地域の人々の温かさに助けられています。「子どもたちが楽しんでくれたら」と自分の畑に子どもの芋掘り専用の畝を作ってくれたり、車が通る道に「飛び出し注意」の看板をつけてくれたり、まるで地域の人たちがみんなで子どもを見守ってくれているよう。安心して暮らすことができます。
今後もさらに仕事に力を入れて、もっと多くの障がい者の方々にファッションを楽しんでもらいたいです。また地域の行事にも積極的に協力し、下山地区を盛り上げていきたいと思っています。

私の特等席

八沢の丘ひろば

特等席:写真

地域のイベントや子どもを連れてでかけたり、のんびりしたおすすめの場所です。
  • 移住・定住促進サイト

    ファースト暮らすとよた

    「ファースト暮らすとよた」は、
    街の賑わいと豊かな自然が共鳴する豊田市に定住をお考えの方々とのコミュニケーションを推進するプロジェクトです。

  • 豊田市
    • 〒471-8501 
      愛知県豊田市西町3丁目60番地 [ 地図 ]
    • 電話:0565-31-1212 ファクス:0565-33-2221
    • 開庁日:月曜日~金曜日 
      午前8時30分~午後5時15分
    • 閉庁日:土曜日、日曜日、祝日、12月29日~1月3日