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暮らしの声

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Interview
豊田の家族たち:写真メイン

豊田の家族たち:写真1

豊田の家族たち:写真2

Oさん

『空き家情報バンク制度』を利用し市街地から稲武へ移住したOさんファミリー。Oさんは庭師という本業を生かしながら、山村地域で空き家オーナーと移住希望者との橋渡しをしています。
標高700m、山間の小さな集落にある
畑と田んぼ付き、築100年の古民家で、
家族4人で暮らしています。

voice1

自然豊かな場所で暮らしたい――。
退社をきっかけに本格的に
山間地域での暮らしを考え始めました。

豊田の市街地にある造園会社で庭師として働いていましたが、自分の本当にやりたい仕事を自分のペースでやりたいと思うようになり、10年目の年に退社し独立。ちょうど同じ頃、妻が友人の誘いで受講していた市民活動団体ラヴィドファム主催の事業『母のチャレンジ応援プロジェクト(通称:母チャレ)』をきっかけに、『豊森なりわい塾』という講座に出合い、2人で一年間受講したんです。塾では今、世の中で起きていることや、都市部と山間部が連携してやっていくべきことなどいろんなことを学びました。山間地を見学する機会もあり、緑や自然が豊かな山間地で暮らすのもありなのかなと、思うようになりました。
独立を機に移住を考えてはいましたが、当初、山間地域は選択肢になかったんです。でも『おいでん・さんそんセンター』で物件を紹介してもらったり、地区ごとの魅力を教えてもらったり、確か空き家情報バンクの補助金制度もここで教えてもらったんだったかな。いろいろ情報を得るなかで、せっかく独立するんだし、市街にこだわる理由はないな、いい機会だし、山間地へ移住もありなのかなと気持ちが固まり、本格的に山間地域で家を探し始めました。

voice2

遠すぎて候補から外していた稲武地区で、
運命の出合い。
あじさいが咲き誇る山上の一軒家に一目ぼれ。

『空き家情報バンク』に載っている地域はひと通りまわりましたが、稲武地区だけはさすがに遠くて候補から外していたんです。そんなある日、稲武でも比較的、町中に空き家が出たということで見に行くことに。最初は妻だけ行く予定でしたが、たまたま雨で仕事が休みになったので2人で見に行きました。見学は1軒だけだったのに地図を見ていたら、『空き家情報バンク』に載っていない物件があることに気付き、ついでに見せてもらったんです。
その物件は稲武の町中からさらに車で30分。山間の道を進んだ先にありました。目の前に田んぼが広がり、あじさいが咲く坂道の上に建つ築100年の古民家。まだ家の中を見る前でしたが、「ここしかない」と一目ぼれでしたね。妻も最初は遠すぎない?と心配していましたが、何回か通ううちに「いつ来ても気持ちいい、他のお家と空気が違うね」と気に入り、ここに決めました。そこからは早かったです。契約する前から何度も通っていたせいか、地域の皆さんにも顔を覚えていただいていたので地域面談もスムーズ。確か面談当日に皆さんからOKをいただき、入居が決まりました。
移住にあたっては補助金制度も活用させていただきました。『空き家情報バンク』の登録物件を賃貸で利用した場合、改修費用の8/10以内で上限額100万円まで補助してもらえます。我が家は水回りと雨どい、傷みが激しかった一部の床の修繕に使わせてもらいました。上限いっぱい使わせていただき助かりました。

voice3

山村地域に根差す庭師ならではの目線で、
地域の空き家オーナーと移住希望者の橋渡しをしたい。

豊田市稲武地区大野瀬は6つの集落からなる小さな町で、私たちが住んでいるのはそのうちの一つ、大桑という集落です。昔から住んでいる方たちと、私たち含め移住してきた2家族の計10世帯が暮らしています。移住後は、本業である庭師としてこの地域のお宅や庭、敷地を管理しています。具体的には庭木の剪定、草刈、農地関係全般。お寺の雨どいの掃除やブルーベリー農園からの依頼で防鳥ネットの設営といった山間地ならではの依頼も多いです。
住んでいるのは10世帯ですが、実はお家はもっとたくさんあって。ちゃんと手をかけて住める状態になっていれば、移住希望者ももっと山間地域に来やすくなるのにと思い、地域にあるこうした優良な物件を次へつないでいくための足がかりというか地固めとなる仕事も始めました。家を貸したい、譲りたいという家主さんと、コロナ禍を経て都市部から山間地域への移住を希望している人、それぞれが次のステップに進むためのお手伝いです。
空き家管理の仕事をいちから勉強したくて、空き家管理士の資格も取りました。仕事のイロハはもちろん実際、山間地で暮らしているからこそ気付くポイントもあるので、地域に根差す庭師ならではの目線で、家主さんや離れて暮らす大家さんのお手伝いができたらと。地域の皆さんに安心して管理を任せていただけるよう、これからも信頼関係を築いていきたいです。

voice4

夏は扇風機で充分。
冬は薪ストーブや豆炭炬燵で暖をとる。
山間地の四季を工夫しながら楽しんでいます。

移住して2回目の夏を過ごしましたが、猛暑らしい猛暑はお盆前後の数日間くらいで、今夏もエアコンは使いませんでした。日中も扇風機で充分。夜も涼しいので、我が家ではタオルケットの出番はほぼありません(笑)。
その代わり冬は寒い。移住後、冬に備え業務用のファンヒーターを購入したものの、いざ使い始めると灯油代も配達代もばかにならず、ご近所さんからいただいた薪ストーブに切り替えました。それと古民家に元々あった豆炭炬燵。長時間じわじわと温かさが続くので、一回点けると2、3日は暖がとれ、快適でした。昨冬は妻がお隣、岐阜県恵那の衣料品店で山間地用の服を見つけてきてくれたので、着ぶくれすることなく過ごせましたし、自分たちでいろいろ工夫しながら山間地暮らしを楽しんでいます。
移住前に比べ光熱費は減りましたが、ガソリン代はかなり増えました。水道代は上水道の料金のみ。ここは下水がないので食器は市販の洗剤ではなく、ヘチマのたわしと米ぬかで洗っています。洗濯機もありますが、洗剤の代わりにマグネシウムを使っています。気分的にこの土地に合成洗剤を流すのは躊躇われるというか、縁あって住まわせていただいているからには、自然を大事にしたいという思いからそうしています。

voice5

子どもたちは畑いじりのお手伝い。
いつのまにか虫採りも平気に。
パパ手作りの栗の木ブランコもお気に入り。

子どもたちは畑いじりをおもしろがって手伝ってくれます。自分でおやつのいちごをとってきたり、最初はこわがっていた虫も今では平気に。今年は子どもたちに頼まれて、庭にある栗の木にブランコを取り付けました。市街みたいに砂場や遊具のある公園はありませんが、ここ大桑の自然が娘たちの遊び場です。
こんなふうに言うと自然児みたいですが、子どもなので市販のお菓子やハンバーガーも食べますよ。移住した当初はそれこそ「テレビを見せるのはやめよう」なんてストイックなことも話していましたが、子どもだし見たいものは仕方ない!テレビは絶対見せないとか何が何でもオーガニックとか決してストイックではなく、これからも自分たちのペースでゆる~く田舎暮らしを楽しみたいです。
現在、こども園への送り迎えは主に妻がしています。小中学校は稲武、高校は一番近くだと足助でしょうか。学校の送迎バスはありませんが、豊田市の山間地区を区域運行しているフルデマンドバス(予約制で一回200円)があり利用できます。家のすぐ下にバス停があるので便利です。

voice6

ご近所さんが野菜やお米づくりの師匠。
温かく見守りながら応援してくれる距離感もうれしいです。

仕事もですが、暮らしのほうももっと充実させていきたい。家に付いている畑や田んぼも楽しみながらやっています。2人とも農業初心者ですが、ありがたいことに近所に師匠が大勢いて(笑)いろいろ教わりながら育てています。2年目の今年はだいぶ収穫でき、1年目はそれこそいただくばかりでしたが、今夏はキャベツをお裾分けしたりお返しもできました。とにかく移住生活も野菜づくりもまだ2年目。これからですね。

voice7

2021年はホップ栽培にもチャレンジ。
秋には稲武産ホップのクラフトビールが完成するかも。

移住2年目に新しいことも始めました。名古屋のブルワリーから大野瀬の営農組合に「稲武でホップを栽培したい」という話があり、空いているハウスを利用してホップ栽培に挑戦したんです。それこそ本格的な農業は未経験なので、山梨県北杜市にある国内有数のホップ農家さんに月1回来ていただき、栽培の仕方を教わり、2021年3月に植え、8月に初めて収穫しました。順調にいけば秋にも稲武産のホップで作ったクラフトビールができているかも!? 移住したからこそ出合えた体験でしたね。これからもまだまだ新しいことに挑戦できそうでわくわくします。

私の特等席

わたしのフェイバリット/大野瀬町大桑地区&豊田市街の公園

一つは自宅がある大野瀬町大桑地区の自然です。遠く近くの山景色、田んぼ、初夏を彩る山アジサイなど四季がすばらしい。縁側から見る夕日もほんとにきれいです。二つ目は豊田市内の公園。仕事柄、公園のトイレを利用する機会が多かったのですが、他の自治体に比べ豊田の公園のトイレはいつ利用しても清潔で、トイレットペーパーがない!なんてことがありませんでした。当たり前のようでいて実はすごいことだとなんですよね。市の管理が行き届いている証拠だなと思います。

特等席:写真

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